『未來のイヴ』の第四巻第四章にカラー映画が出てくる。出版は1886年で、1895年のシネマトグラフ発明より前だ。当然、映画という言葉が出てくるわけではなく、幻燈機(lanpascope)だ。撮影や仕組みについての記述もある。幻燈機は古くからあっただろうから、これが動いたらという発想はあったのかもしれない。
『未來のイヴ』に出てくるのは架空のエディソンだが、現実のエディソンも映画には関わりがある。その辺については『エジソンに消された男 映画発明史の謎を追って』(クリストファー・ローレンス 筑摩書房)に詳しく書いてあり、とても興味あるテーマなのできちんと読みたいのだが、かなり字が詰まった厚い本で、なかなか進まない。
幻燈機などについてのマニアックなサイトがあった。
collection François BINÉTRUY
《追記》
“lanpascope”で検索すると一致する結果が見つからない。私が何か間違えたかと思い、原文を確認したところ、やはり“lanpascope”だった。まだ動く写真を映写する機械はなかったのだから、造語なのかもしれない。
(2019年7月27日)