以前から興味あった19世紀末と最近凝っている20世紀をつなぐものがありそうで『メリエスの素晴らしき映画魔術』を見たのだが、話が21世紀まで飛ぶとは予想外だった。ほぼ映画関係者のインタビューで、間にパリの街角や映画館の中、第一次大戦後の浮かれた雰囲気など、時代を感じさせる映像が挿入されている。
1993年に『月世界旅行』のカラー版がスペインで発見された。1コマづつ手で彩色したものだ。劣化が激しく、修復は不可能だったが、個人の根気強い作業と、現れたスポンサーと、最新のデジタル技術とで二十年かけて修復した。
時に人間はどうでもいい無駄なことにとんでもない情熱を傾けることがあり、それは感動を呼ぶ。
修復されたカラー版の映像は素晴らしいが、DVD収録の音楽はいまいちだった。