『フォカス氏』 ジャン・ロラン 世紀末の頽廃と悪徳のごった煮
『フォカス氏』(ジャン・ロラン 月刊ペン社)は厚い本ではないが小さな字の二段組で、読み終えるのに時間がかかった。 澁澤龍彦によれば、ジャン・ロランは世紀末の頽廃と悪徳...
Love Songs of the 1930s
こちらはイメージ画像で、30年代のものではありません。 この選曲をしたのが9か月前。結構前ではあるが一年は経っていない。あの頃と今では情況は変わったが、心情は変わってはいない...
『悪魔のような女たち』 世紀末デカダンスの見本帳
『さかしま』(ユイスマンス)が「デカダンスの聖書」なら、『悪魔のような女たち』(バルベー・ドールヴィイ)はデカダンスの何だろうかと考えてみたが、適当な言葉は訳者中条省平の解...
ドン・ファンは何に勝利したのか
オペラ『ドン・ジョヴァンニ』(モーツァルト 1787)のストーリーは理解できるが、本質を理解するにはキリスト教信者でなくてはならないのだろう。『黄金の壷/マドモワゼル・ド・...
ウルトラバロックデカダンス
外国の古い小説を読んでいると入れ子構造になっていることがよくあり、『悪魔のような女たち』(バルベー・ドールヴィイ ちくま文庫)もそうなのだが、メインではない外側の語りまで華...
オペラ『ホフマン物語』原作の三つの物語
『ホフマン物語』の原作、「砂男」(『夜景作品集』(1817)収録)と「クレスペル顧問官」(『セラーピオン朋友会員物語』(1819)収録)は手に入りやすい『ホフマン短篇集』(池内紀編...
『カルパチアの城』 ジュール・ヴェルヌ 死んだはずの歌姫の声の正体は?
吸血鬼伝説の残るトランシルヴァニアのカルパチア山中の古城が舞台の『カルパチアの城』(ジュール・ヴェルヌ 1892)の三年後に『吸血鬼ドラキュラ』(ブラム・ストーカー)が出版...
ホフマン ファム・ファタル 機械趣味
ファム・ファタルはフランス語だ。映画やオペラ『ホフマン物語』の原作読んでいると、ファム・ファタル的な話で、ホフマンはドイツでよりもフランスで人気があり、フランス文学にも影響...
ヴィリエ・ド・リラダンとワーグナー
『ピモダン館』(齋藤磯雄 小澤書店)収録の「ヴィリエ・ド・リラダンの墓」で、ヴィリエ・ド・リラダンの墓がペール・ラシェーズ墓地にあり、墓地のすぐ近くにヴィリエ・ド・リラダン...