漫画『東京物語』 ふくやまけいこ
『東京物語』(ふくやまけいこ ハヤカワ文庫)を再読した。絵はかわいいが、ミステリアスで結構壮大な話だ。 昭和初期の東京、雑誌記者の平介と謎の風来坊の草二郎が色々な謎を...
『ミッドナイト・イン・パリ』のフランス語音声字幕
『ミッドナイト・イン・パリ』(ウディ・アレン監督 2011)を気に入ったのでブルーレイを買おうと思ったが、日本版には日本語の字幕しか付いていない。英語の字幕があった方がいいので、輸...
森茉莉が看破 パリと浅草の共通点
「日本で巴里の気質を持っているのは浅草人だけである」と、森茉莉は書いている(『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』 ちくま文庫)。最近の記事でパリや浅草のことを書いていたので...
『ミッドナイト・イン・パリ』 パリの蚤の市はリアル・ノスタルジー・ショップ
『ミッドナイト・イン・パリ』(ウディ・アレン監督 2011)が公開されたときは、フランス映画じゃないという理由で観なかった。その後、フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビ...
「襤褸の光」谷崎潤一郎 美しき女乞食
1920年代終わりの浅草小説が『浅草紅団』(川端康成)なら、1920年代初めのは『鮫人(こうじん)』(谷崎潤一郎)だ。これを読もうと思って借りた『潤一郎ラビリンス Ⅸ浅草小説集』(...
『メリエスの素晴らしき映画魔術』 二十年がかりで修復された百十年前のカラー映画
以前から興味あった19世紀末と最近凝っている20世紀をつなぐものがありそうで『メリエスの素晴らしき映画魔術』を見たのだが、話が21世紀まで飛ぶとは予想外だった。ほぼ映画関係...
『浅草紅団』 川端康成 1930年の都市文学
『浅草紅団』(川端康成)には1930年頃の不良少女不良少年、浮浪者や演芸、風俗が描かれている。新潮1999年6月号に取材ノートの一部が載っている。見開きの右側に新聞記事のスクラップ...
フィッツジェラルドの短篇に見られるゴシック
フィッツジェラルドのミステリ風、ファンタジー風の短篇が収録された『ベンジャミン・バトン』(角川文庫)の中の一篇に「異邦人」(1930)がある。 解説には「フィッツジェラルドと妻ゼル...