Ai Zoom-NIKKOR 43~86mm F3.5は下記の記事で存在は知っていたが、どうしても欲しいというほどではなかった。
はっきり言ってしまうと、実はこのレンズ、性能は「よくありません」。
収差は多く、解像力は低い。
ズームレンズの悪いところを集めたような見本です。しかしながら、数値上の性能はよくないはずなのに、このレンズで写真を撮ると、絶対にこのレンズでしか出すことのできない、非常に味のある写真を生み出すことができるのです。
中古屋で実物を見かけて、五千円くらいだったから買ってしまおうかと思ったが、もうちょっとこのレンズについて調査してみた。迷レンズとか駄目レンズとか云われるんだけど気に入っている人が多いみたいで、面白そうなのでもっと安いのを見つけて買ってみた。
『Nikon一眼レフのすべて』(学研)には永遠の青春レンズ、「ヨンサンハチロク」、写真の楽しさを教えてくれた名品と書いてある。1963年に日本初の標準ズームとして完成し、1976年にレンズ構成が変わり、描写性能が大きく改善されたとのこと。私のは後期型だ。初代がどんなものかも興味あるが、値段とコンディションを検討してこれにした。
ファインダーを覗いた限りはそんなに駄目な感じはしない。マイクロフォーサーズでレンズの中心部のみ使っているからだろうか。
ただ、拡大してももやっとしていて、ピシッとピントが合わない。
そのゆるさがレトロ感、フィルム風だろうか。
色は好きな感じだ。私は記事「OM-1が出た。さてPEN-Fはどうなる? 赤城耕一の「アカギカメラ」」に書いたコダクローム風にしているので、カメラによって違うかもしれないが。
立体感はあるね。
どうも明るいところが白飛びしてしまう。パソコンでいじってやっと見られるようになった。
露出補正に気を付けて撮ってみた。
夜は厳しいな。ピントが合わせづらい。
私はそれほどレンズに詳しいわけではないので違いが判るかどうか分からなかったが、これは楽しい! が、まだ使いこなせていない。白い部分がふわっとして夢の中のように写ることがある。奇蹟的に丁度いい感じで撮れたのもあるのだが、測光がうまくいってないのかな。研究の余地がある。今回は開放で撮ったので今度は絞って撮ってみよう。
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F8まで絞れば精細だよね。
やっぱりちょっと明暗差には弱い。
うまくいけばいい感じの色になる。
基本順光だな。
適当に撮っても綺麗には写らないが、予想外に面白い画が出てくることもある。クセをつかめば楽しめそうだ。
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