宝塚歌劇宙組『ロバート・キャパ 魂の記録』、好きなんだよね。脚本も音楽も演技も素晴らしい。セットも衣裳も。今ほどカメラに凝り始める前から好きだった。改めて見たらどうだろうと思い、再演の映像を見てみた。主演の気合が入っているのはよく分かるが、何かしっくり来ない。で、また初演を見てみた。ヒロインの落ち着いた雰囲気、脇役の濃さ、やっぱり私は初演が好きなのだ。
そして初演には再演にはないフィナーレがある。最後、出演者が芝居の衣裳で出てきて、白スーツのキャパが集合写真を撮るんだけど、そこでグッと来たね。劇中の泣かせどころより感動したかも。早く戦場カメラマンは失業する時代になってほしいものだ。
下記の記事によるとカメラはライカDⅡらしい。
初演のポスターのレンズはエルマーだろう。劇中ではレンズが沈胴したままじゃないか? 芝居だからレンズを引き出す動作を省略しているのかなと思った。カメラ好きでなければそんなこと気にならないし。
(引用元:バウ・ミュージカル『ロバート・キャパ 魂の記録』)
再演のポスターには違うレンズが付いている。何だろうなこれ。
(引用元:宙組公演 『ロバート・キャパ 魂の記録』『シトラスの風II』)
下記の記事によると実際はⅢaなのか。レンズはズマールかな、多分。
ポスターの衣裳はこれだろう。
(引用元:ロバート・キャパ – Wikipedia)
バルナックライカが欲しくなるな。このカメラが同じジャンルなので、とりあえずこれを使おう。
CANON(キヤノン)P 私にとって人生初のレンジファインダーカメラ
「シャッターチャンスは誰にだってあるはずだ」は劇中のキャパの台詞だ。カメラはいつも持ち歩かなければ。
カメラとレンズについてもう少し調査してみよう。
下記の記事によればロバート・キャパの最初のカメラ、トロツキーを撮ったカメラがDII、レンズはエルマー 5cm F3.5とのことなので初演のポスターがこれになる。興味深いのはスペイン内戦では二台使っていたことだ。DIIの他にIIIf、レンズはズマール 5cm F2らしい。前述のポスターのエルマーとズマールというのはいい線行っているな。ライカのカメラのモデル名は海外と日本で呼び方が違う場合があるので正確ではないかもしれない。
ROBERT CAPA´S FIRST LEICA SOLD DURING THE HISTORICAL 22ND WESTLICHT CAMERA AUCTION
ゲルダ・タローのカメラについては下記の記事が詳しい。中判カメラのローライフレックスから二台のライカに変えたようだ。複雑なので興味ある方はリンク先を読んでもらうとして、レンズはキャパと同じだ。
アンリ・カルティエ=ブレッソンが50mmレンズを使ったというのは有名だ。下記の記事によると、ごく初期にはライカⅢとカール・ツァイス ゾナー50mm F1.5をライカレンズ用に改造したものを使用していたとのこと。第二次世界大戦後まではエルマー 5cm F3.5を使っていたという情報もある。
アンリ・カルティエ=ブレッソン(Henri Cartier-Bresson)
デヴィッド・シーモアのカメラやレンズについての情報はあまりないが、同時代のライカなら似たようなものだろう。