ぱっと見はグランドセイコーに似ていて美しいSEIKOの時計を欲しいと思ったが、検討するにつれて色々と粗が見えてきて、結局買わなかったことについてに記事「SEIKO メカニカル SARBの後継機SZSBには全然興味なかったのだが、シルバーダイアルSZSB011がアイボリーっぽいというレビューを多く見かけ、興味が湧いてきた」に書いた。
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あれから数日経ち、グランドセイコーの中華パクりウォッチがあるのを思い出した。SINN(ジン)556.Aを買うかカスタムで似た感じのを作るか迷っていたときにカスタム用の時計を探していて知ったHeimdallr(ヘイムダル)のものだ。私がよく腕時計ベルトを買っていた中国の通販サイトAliExpressで売られている。
Heimdallr Classic Business Men’s Mechanical Watch
ドーム風防がかなり魅力的だよね。ケース幅40mm、やや大きいか。ちょっと興味あるけど約二万円出してまで買わないかな。ドーム風防なら手持ちのSARB027も負けていない。
その関連商品でエレガントな時計が目に入った。レビューは世界中から大絶賛だ。一見シンプルな普通の3針時計なのだが、グランドセイコーのような太くて長いドーフィン針、秒針は青い。熱処理針って書いてあるけど塗装じゃなくてブルースチールなのか? 本当か?
ケースの形はキングセイコースタイルだ。6時側にごちゃごちゃ文字が入っていないし、中途半端なリューズガードなし、デイトなし、大きめリューズ、いい感じじゃない? こちらもケース幅40mmだがダイアルが小さめなので多分大きすぎには見えないだろう。これはなかなか楽しめそうだ。サファイアクリスタルガラス、スウィープ運針のクォーツで約九千円。買うことに決定!
【Escapement time】Quartz Watch 40mm Case VH31 Heat Treatment Hand
実物を見ずに写真だけでもケースやインデッスクがぼやっとしている感じだが、それを云ったらSARB033もそうだ。あとはダイアルの質感がどんなものかな。紹介している動画によるとサンバーストなしのオフホワイトらしい。実際に見てみないと判らない。
こういう時計をSEIKOが作れよ。
《追記》
届いた。
うーん、どうだろう。思ったよりオーラはないな。期待を超えることはなかったが、悪いところはそれほどない。12時側のブランドロゴより6時側の“Quartz”が太いのはどうかと思うけど。
針は記事「SEIKO5カスタム 時空を超えたGrand Seiko 5」で使ったカスタムパーツくらいの水準を期待していたが、そこまでではなかった。
フラットな面にヘアラインが入っていない。まあ、一応面取りされていてシャープさはある。
SEIKOのなんとなくヴィンテージ風のクォーツと中身だけSEIKOのSEIKOオマージュ。こういうのを買うくらいならいい時計を一本買った方が満足度は高いだろう。
中央:当記事
右:SEIKOメカニカルSARB033に似た感じのクォーツあったんだ、知らなかったよ
青いベルトに替えてみた。
青い針に青いベルト。
前より明るくなった。
オフホワイトのダイアルがいい感じだ。
意外とかわいい。
何だかんだで結構気に入った。ケースもインデッスクも針も値段なりの出来ではあるが、約九千円でこのようなデザインの時計は他にない。妙な味わいがあり、そこそこ楽しめる。記事「SEIKOメカニカルSARB033に似た感じのクォーツあったんだ、知らなかったよ」の時計のように大企業であることに胡坐をかいて手抜きしたものよりは断然がっかり感が少ない。
“Quartz”が太いのは気になるので売り手に問い合わせたところ、“Two batches, a little different”とのこと。こういうところが中華だよね。信用できない。記事「中国の通販サイトAliexpressで数々の買い物をしてきたが全然違う物が届いて初の紛争来たー!」のときよりはましだけど。
やっぱり記事「The CITIZEN(ザ・シチズン) 今気になるのは」の時計に心が動くな。
(2021年6月10日)
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