初めて買った機械式、ELGIN(エルジン)の腕時計の裏蓋がパカッと外れることが度々あり、最近は実用していなかったが、長い間放置せずに時々は動かした方がよいので動かそうとしたら、ますます裏蓋が外れやすくなってしまっていた。
よく見るとケースに緑青が発生していた。ショックなのは買って一年ちょっとしか経たないのに文字盤にも以前はなかった緑青が付いてしまったことだ。東京のような湿度ではないから大丈夫だろうと思っていたが、もっと気を遣うべきだった。古い時計だから密閉性は低いと思われる。
せっかくだから中を見てみた。何十年も経っているはずなのに、ものすごく綺麗なムーヴメントだった。鏡のように反射する部分や角度によって見え方が変わる渦巻き状の部分がある。
裏蓋に文字が彫られている。文字は薄くて小さいが、ルーペを使って解読してみた。円状の部分は“CASED AND TIMED BY ELGIN NATIONAL WATCH CO”。その中に“10K GOLD FILLED”とあり、その下に筆記体で“Wadsworth”と入っている。
下記の時計はロゴが”Wadsworth”で、説明によると1950年代初頭にエルジンは”Wadsworth Case Company”を買収し、“Wadsworth”の名前を使って安価な時計を発売したとのことだ。
Elgin Wadsworth Dayton – Art Deco Wristwatches
ケースにもムーヴメントにも数字が入っているので、これらから何か判らないか調べていて、エルジン時計のシリアルナンバーについてのサイトを見つけた。
[ELGIN] Watch Serial Number Information – Elgin watches
Online Elgin Serial Number Database
ケースの番号とムーヴメントの番号は関係ないらしい。私の時計のムーヴメントの数字を入れて検索してみたところ、1938年製と出た。おそらく1940年代から50年代のものだろうけど、もしかするともっと古いかもと思っていたが、その通りだった。
状態がちょっと残念なことになってしまったが、快調に動いている。このまま観賞用にするか、修理するか、売ってしまうか、どうしようか。ロマンがあるし、17石で長く使える悪くない時計のはずなので、また何とか実用できるようにしたい。
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