『雲の上はいつも青空』 ハービー・山口

ハービー・山口の写真は特に好きでも嫌いでもなく、云っていることは綺麗事ばかりで自己啓発っぽいなと思っていたが、『雲の上はいつも青空』(玄光社MOOK)を買った。使っているカメラ・レンズ、撮影テクニックも載っているし、好みの写真もいくつかあったので何か参考になるかもしれない。

読んでみると、なるほど、ハービーさんも色々あったのだな、だからこういう考え方になったのかと分かった。もしかして本当にいい人なのかも。スタッフや若手芸人を怒鳴り付けたり、時には鉄拳や蹴りが出ることも度々あった、テレビ業界の暴力体質の源流にいる存在とされるテリー伊藤に「人間っていいな。地球っていいな。」と思わせるくらいなので。

私は人間なんてロクなもんじゃないと思っているので、書いてあることすべてに同意するわけではない。特に気に喰わないのは「人の役に立つ人間になる」ということだ。この考えが極端な方向へ行くと役に立たない人間は殺していいということになる。人の役に立ちたいなんていうのはそれ自体がすでに欲。自分が気持ちいいから、自己満足なんだよね。自分がやった方がいいと思うなら誰からも感謝されなくてもやれよ。一見役に立たないもの、意味のないものが案外重要で、そこに余裕が生まれるのではないか。

図書館で借りればいいやではなく、持っていてもいいと思えた。

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