今年の映画鑑賞一発目は『男はつらいよ』(山田洋次監督 1969)だった。今まで全然興味なかったわけではなかったが、きっかけがなく、一本も見たことがなかった。寅さんはSEIKO(セイコー)のファーストダイバーを着けているとの情報があり、一作目が放送されるというので見てみた。
昔はよかったというのは年寄りじみていてあまりいい発想ではないが、日本はここ数年で急激に狂ってしまった。実際、ここまで政府が腐り、人心がギスギスして来ると、さすがに昔はよかったと云ってもよいのではないか。空気を読まない、生き方上手じゃない人の方が魅力的だ。
『映画術 その演出はなぜ心をつかむのか』(塩田明彦 イースト・プレス)に寅さんについて非常に複雑な人だと書かれている。妾腹の子で、ぐれて道を踏み外し、自分が生きていくために「フーテンの寅」というキャラクターを発明し、演じ続けている悲しさ、屈折した自意識の戦いの中に面白さがあり、単なる天然の人のズッコケ騒動ではないと。実際に見て、確かにその通りだった。
滑稽さの中に哀愁も漂っていて、とても気に入った。できれば他の作品も見ていきたい。
そして腕時計だが、確かに寅さんはファーストダイバー着用だった。
コラボウォッチが出ているらしいが・・・・・・
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本気の寅さんリスペクトならこちらを買わなければ。
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ファーストダイバーを現代的解釈でリメイクしたものもある。こちらは私も一時期購入を検討したことがあり、記事「SEIKOダイバーSBDC051が綺麗なのでかなり心惹かれたが検討した結果買わないことに決定」を書いた。
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本格的なダイバーズウォッチまではちょっとという人におすすめなのはSEIKO5のこちら。針とインデックスがファーストダイバーに似ていてかっこよい。似た感じの時計は持っているので今のところ買っていないが、私も本当に欲しいと思っている。日本製モデルの方がよいのだが、高くなってしまっている。
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《追記》
その後、結局上のSEIKO5を買った。
『男はつらいよ』の小道具係によれば、渥美清は体が弱くて重いものを持たず、最初のダイバーズウォッチも嫌がって、軽い安物に替えたとのことだ。メンズプレシャス2020年冬号 特集「寅さん」のダンディズムに書いてあった。このSEIKO5、軽い安物で、いい感じだ。
(2020年2月9日)
こんなモデルも出た。
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またプロスペックスのダッせーロゴ入れてる。能ある鷹は爪を隠すと云うだろ。プロが使えるスペックがありますよなんてことは裏蓋にでも書いとけ。そしてベゼルの幅が広すぎ。美しいデザインがすでにあり、そういう時計を作ろうと思えば作れるのにそうしないのは、安めだからこんなもんでいいだろうと買い手を馬鹿にしているのだろう。一瞬欲しいなとは思った。
(2020年9月10日)
ほー、やっぱり記事「別注セイコー×ナノ・ユニバース フィールドヴィンテージ ミリタリーダイバー風クォーツ」にも書いた通り、ファッションブランドとコラボすればダサくない時計を作れるんだね。と云うよりほぼ再発だが。ダイアルに寅さん要素が入っていない。前の追記に書いた「裏蓋にでも書いとけ」を実践してるじゃないか。値段はまあ、安めのものはデザインをわざと落として、美しい時計が欲しければこのくらい出せ、ということだろう。
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(2020年10月3日)
確かにステンレスブレスが謎だったが、この記事は実物の写真が載っている。凄すぎる。マルマンの社外ブレスだそうだ。
(2020年10月24日)